つぶやきジローの隠れ部屋

「陥入爪(かんにゅうそう)」「巻き爪(まきづめ)」



「陥入爪(かんにゅうそう)」って聞いたことがなくても、「巻き爪」ってよく耳にすると思います。この2つは別の疾患(一部で重なってはいるのですが・・)なのに混同されることが多くて、一般的には足の指が痛い状態を全て「巻き爪」と表現して受診されることがほとんどです。



実際には2つが合併している場合があることと、両者ともに症状が進むと痛みがあるために、指が痛い=「巻き爪」と定着したようです(医療従事者でもよくわかっていない方多いです(*_*; )




「陥入爪」「巻き爪」が痛くて治りにくいのは、理由(わけ)があるんです!



「陥入爪」は爪の先端やカドが皮膚に食い込んでいる状態で、この状態でも痛みはありますが、そこにキズができて炎症を起こすと出血や不良肉芽とよばれる赤い盛り上がった肉の塊ができたりして、とても痛くなってきます(>_<)
原因としては、生まれつきの爪の大きさや形が関連しているものより、深爪・ケガ・窮屈な履物での圧迫などでおこることが圧倒的に多いのです!
一番荷重がかかる足の親指におこることが多いのですが、他の指足趾にもケガや圧迫などのきっかけがあれば生じます。
炎症が起きる前であればつま先が窮屈な靴から楽なものに変更したり、爪を肉の部分より先まで伸ばせば改善することがほとんどです。
先が細くて格好良い靴やヒールが高いオシャレ靴は、あなたの足先を満員電車の中のようにぎゅうぎゅう詰めでいじめているのかも((+_+))



「巻き爪」は字のごとく爪の端が内側に巻き込んだ状態になるものを言い、ほとんどが足趾に起きてきます。




原因としては「陥入爪」と同じく深爪のような間違った爪切りや、窮屈な履物をはいてつま先に異常で過剰な力が働くこと、
そして意外な要素として指(足趾)に正しく力が入らない状態が続くことがあげられます。
爪は何もしないでいると両端が丸まる性質があります。




歩かなくなったお年寄りの足や物を持つ機会がほとんどなくなった方の手の爪が丸まって巻き爪になるのは、正しく反対側から爪が押し返されなくなっているからなんです。
変形の原因として忘れてはいけないものに、爪白癬(みずむし)があります。



これは放置しとくと変形が強度になるばかりか、他の指(足趾)にもうつってしまうので、



必ず治療しなければなりません。以前、爪白癬(みずむし)は抗真菌剤の内服まで必要でしたが、今は良い爪用の塗り薬があるので治療もしやすくなりました。簡単な検査で分かりますので、爪の色や形がおかしくて心配なら主治医の先生に相談してくださいね~

「陥入爪」も「巻き爪」も軽度の場合は、正しい爪切りの習慣と適正な靴の選択で改善することが多く、補助的にテープやスポンジで局所に異常な圧がかからないように工夫することも大事です(やり方はいろいろあって、ネット検索すると自分に合った方法をみつけられると思います^^)。
他にも食い込んでいる部分に直接コットンなどを詰め込んで爪を浮かせる方法も、慣れてしまえばセルフケアで行えます。



ここでよく間違ってやってしまうこと!!!
爪を伸ばすと痛くなるので更に短く切ってしまう・・・



爪の端を切り残して棘(とげ)を作って、これが刺さることで重症化したり、どんどん爪が短くなることで異常で過剰な力が増強し、食い込みや巻いた形の変形が強くなってしまいます;;

病院でできる「陥入爪」の治療として、食い込む爪の両端が生えないようにする手術(爪床爪母形成)やフェノール腐食法などがあります。

また爪甲の側縁を短く切る方法も場合によっては行われていますが、一時的に症状を和らげるだけで、爪甲が少し伸びてくると大抵再発してしまいます。

「巻き爪」の手術は爪の変形とともに丸まった爪床(爪の土台となる皮膚)を伸ばして固定するような特殊な方法が必要で、安静のための入院が必要になることもあります。

他にも保険の治療ではない自由診療として、変形矯正用のクリップやワイヤーなどを用いた保存的治療も行われています



特に当院でも行っている爪甲の両側縁にフックを掛けて、それを中央に引っ張るVHO療法は、装着しても日常生活に支障がなく、痛みが装着直後に改善していることがほとんどでお勧めです(≧▽≦)




実際の状態によって治療の仕方は変わってくるので、セルフケアで改善しないときにはご相談くださいね(^^)/



ただ環境が変わらないと再発しやすいので、正しい爪切りと適正な靴の選択は「陥入爪」「巻き爪」の予防・再発に、とても重要であることを忘れないでくださいね( ..)φメモメモ


うん、うん。それくらいがキミにはちょうどいいかも。



キミにはこれがぴったり。